2012年10月3日水曜日

ふるさと観光ホテル閉館へ

近年の降灰激化?も影響・・・


龍神露天風呂
 鹿児島の温泉と言えば、指宿の砂むし、そして白い湯浴みを着て入る露天風呂を多くの人は想像するのではなかろうか。『南無観世音大菩薩』と背中に書かれた白装束を身にまとい、龍神露天風呂と名づけられた温泉に浸かる。
 
 しかし、鹿児島温泉の代名詞とも言える『白装束の温泉』、「古里温泉ふるさと観光ホテル」が2012年9月末をもって閉館した。本日2012年10月3日の朝刊記事1面に大きく取り上げられていた。管理人は1週間ほど前にその情報を得ていたのだが具体的な情報発信は自粛していた。


 今朝の記事には「桜島の活動が活発化しているニュースが出る度にキャンセルが増えた」と社長のコメントも掲載されていた。風評被害が宿にとっては何よりも手痛いダメージとなる。管理人は今ブログでも以前、新燃岳の風評について書いた事があった。今回、社長の言葉と同様の事を霧島で何回も耳にしていた。

 昨年、桜島は996回爆発し、1955年の観測開始以降、爆発回数は年間最多記録となった。しかし、桜島の住民の生活は特に変わらず、頻繁に桜島を訪れる管理人も例年と変わらない温泉めぐりをしていた。確かに降灰量も多かったが、鹿児島に生活している以上、これは避けては通れない、いわば『当たり前』のこと。30年少し前は灰が雪のように降り積もり、車がハンドルを取られスリップする事も度々あった事を幼な心に記憶している。
 

 これはあくまでも個人的な意見ではあるが、過去のことを鑑みれば、回数こそ多かったものの昨年の爆発、降灰も別に大したことではなかった。

 『桜島噴火』の情報をTVや新聞、ネットで見ると、かなり誇張した内容で扱われていたものも多かったようにも覚える。それらを見聞きするたび

「おいおい今度は桜島か?何てことねぇのに大げさだろ・・・人来なくなるってぇ~の」


と一人いつもぼやいていた。


 その典型が霧島だった。管理人は年間30回~40回は霧島に行く。新燃岳がメディアに頻繁に取り上げられていた時期も、いつもの年と同様に霧島に行っては温泉を巡っていた。危険区域に指定されていないエリアは当然の事、危険区域内も実際現地に足を運べば特に問題はなかった。これは、『たまたま』だったのかもしれないが、本当に危なければ住民全員が避難するであろうし、管理人自身も行く勇気はない。新燃岳の噴火で霧島周辺の宿は大打撃を受け、鎮静化してもなお厳しい経営状態、宿泊キャンセルが相次いだ。そのころ宿の方から頻繁に聞いた言葉が『風評被害』だった。
 
 桜島にはそのような警戒も行なわれていなかったから尚更、管理人は普段通りに温泉を楽しんだ。しかし、観光で訪れようとする立場なら、これから行こうとする見ず知らずの土地で火山噴火の記事を見聞きすれば、致しかたないことだったのかもしれない・・・。閉館は風評被害が原因ではないのは承知しているが、要因の一つであったことに違いはないはずである。


最後に-

ふるさと観光ホテル閉鎖は、ただ一つの温泉宿がなくなるのではない。
鹿児島観光を支える大事な柱が一つなくなるのである。
そして、桜島に行くという『理由付け』も一つなくなるのだ。
これは重大な損失である。


いつも管理人にコーヒーを入れてくださり、あたたかく迎えてくださった「ふるさと観光ホテル」スタッフの皆さん本当にありがとうございました。またいつか龍神露天風呂に入れる日が来る事を願っています。

0 件のコメント:

コメントを投稿