2011年8月30日火曜日

鹿児島県の離島に温泉発電!

九電が離島向け温泉発電 指宿で実証実験へ


九州電力が本年度内に、地熱発電の一種である小型温泉発電の実用化に向けた実証試験を始めることが29日、分かった。出力は1基当たり200キロワット程度と小さく、主に離島での運用を目指す。実証が成功すれば、離島の発電燃料を重油から温泉資源に転換でき、環境対策とコスト対策両面で効果が大きいと判断したとみられる。

温泉発電は九電の八丁原地熱発電所(大分県九重町)で出力2千キロワットの設備が全国で唯一営業運転中。この技術を生かした小型の温泉発電が実用化されれば、全国初となる。九電が近く発表する。

実証試験は発電設備メーカーと共同で実施。来年春までに出力200キロワット程度の試験設備を既存の九電地熱発電所内に置く。設置場所は、離島で想定されるような塩分を含んだ温泉資源がある山川地熱発電所(鹿児島県指宿市)を軸に検討している。

温泉発電は、通常の地熱発電より低い100度前後の源泉で、沸点が低いアンモニアなどの媒体を気化してできる蒸気で発電タービンを回す仕組み。発電後のお湯は冷やされて家庭や旅館で使う。実証では安定して発電できるか数年間検証した後、鹿児島県内などの離島に設備を導入できるか検討を進める方針。

大型地熱発電所の場合、資源が自然公園内にあって開発規制がかかったり、蒸気井戸の掘削が必要だったりして、開発が進まない一因となっているが、温泉発電であれば既にある温泉水を活用するため掘削が不要で、住民らの理解が得られやすいとみられる。

九電管内には全国の7割に当たる離島が点在し、大半は重油を燃料とするディーゼル発電で島内の電力を賄っている。その一部でも温泉発電に切り替えられれば、九電の経営にとってもコスト軽減につながる。

2011年8月30日【西日本新聞】

0 件のコメント:

コメントを投稿